モーテルの夜、

机の上の食事は段々と残り少なくなって行った. 
僕は持って来たミルクをがぶ飲みしてたが、
彼女は冷蔵庫から出してきたボトルから
ワインらしき物をユックリと口に運んでいた。
舞台化粧の内からほんのりと浮かび上がるようなアカミがさし、
舞台でのピンクのスポットに照らされた時よりも
可愛く、色っぽく見えた、、、
僕は半分満腹のお腹を押さえ、、コップを置くと、
ステージで流れてた音楽に話しを向けた。
”舞台で使ってた音楽は自分で選ぶの??”
“うん、そうよ、、、”
“私、衣装も音楽も自分できめたの. 
ほら、他のダンサーは私よりセクシーでしょう??
私は、ちょっと可愛いでしょう??
幼いって言うか、、、そこをもっと演出した方が面白いと想って、、、”
“ああ、それで、JUST LIKE A WOMAN,
  BUT JUST LIKE A LITTLE GIRL なんだね、、”
充分答えの読み取れる質問だったが、話しの繋ぎにはなった。
“あの時居眠りしてたんだよ、、
前のダンサーが好みじゃなかったのもあるけど、、
そしてあの曲大好きだから、流れて着たら目が覚めて、、、
ステージでは君が踊ってて、、”
”好みじゃなかった????”
“いやあ、可愛かったから、目が飛び出しそうになったよ、、”
”ほんと???” ”そうさ、それから釘付けさ、、”
“それで???” “そして曲が変わって、ストーンズ、”
”LET’S SPEND THE NIGHT TOGHTER ね。。”
“そう、、その時、僕の目の前にきたでしょう、、
そして、足で、僕の顔をはさんで、、”  ”で???”
“それまで大きな声で歌ってたのに、、
僕の前では、囁くように歌ってたよね、、LET’S SPEND,,,”
“あの後外に出てから、夜空を見上げながら、ズーット口ずさんでたんだ。。。”
“、、、だからこのドアの前で出会ったのよ、、、きっとそうよ、、”
“じゃ、出会いに乾杯!!” 
飲み干して、からっぽのコップと、
底に少しだけのこったワインとで、乾杯をした。