ロスの夜、、、

薄いピンクのT−シャツに、白いジャケットをかけた
スラリとしたジーンズ姿の女性が両手に買物袋を下げて歩いて来た.
明かりの少ないそのモーテルの入り口付近を横ぎるように歩き、
僕の泊まってる部屋の隣りのドアの前に立った.
そして鍵をバッグから取ろうと買物袋を地面に降ろした時、
傾いたその袋から幾つか品物がこぼれてしまった.
僕はすぐに駆け寄りその転がった品物を拾い集めると
彼女にて渡した. “OH、THANK YOU“ というその口ビルは、
つい先ほど、ステージの上から囁かれた、
“LET’S SPEND THE NIGHT TOGHTER NOW” 
とおなじ口ビルだった. 
僕はすっかりびびってしまって、何も言えなくただ頭をピョコリと下げて
その転げ回った品物を渡そうとすると、それを一つ一つ受け取りながら、
僕の顔を覗き込んできた. 
先ほどとおなじ位に、真赤になってたであろう僕を見て、、
“HAVE YOU EVER???“  と聞かれそうになった時、、、
先手をとるように、、、
“YES,I JUST SAW YOUR DANCING.“ と答えた。
変におもわれるのもシャクだから、、 
観光客である事、そして今日はロスの町をぶらぶらとしてて、
NUDEの文字に誘われた小屋に入った事、
、、先ほどはステージを見てすっかり昂ぶってしまった事を
早口で伝えた.  そして、たまたま隣りの部屋に一昨日から滞在している事も、、、