朝の10時を過ぎたころ、、、

朝の10時を過ぎたころ、道の廻りにポツポツと家が増え始めた。
廻りを無愛想な、ブロック等で囲わない、道との堺まで芝生をしく積めた住宅が、
あちこちに見え始め、バスの旅が終わりに近づいた事を示唆する.
車の通りもその発てる音で、段々と込み会いを増す.
頭の中に流れる音楽が、カントリーのゆったりしたリズムから、
段々と様相を換え、ビートのしっかりとしたリズムを刻み始める.
それでも体はゆったりとした時の流れを欲している.
ライクーダーにしておこう.
バスは幾つかのくの字型の道を曲がり、交叉点を過ぎて、
ガヤガヤ、バタバタ、とした動きが急速にバスの中を包む.
僕も頭の上の棚に置いたバッグをひとつ降ろし、目を通してた本を入れ込み、
バスの旅の終焉に準備をする。
僕と20人近くの乗客を腹の中に入れこんで時にのたうち周りながら、
そして時に闇の中を音を発てないように滑ってきた、
大きな図体のグレイハウンドバスは体中に安堵間を漂わせながら
バスターミナルに滑り込んだ.
荷物を手に取り席を立とうとした時、
通路を挟み座ってたメキシカンのカップルの男性と目線が会った.
彼も安堵間を漂わせ、お互いに目で軽い挨拶を交わした。
その片一方の女性は、通路を譲る僕に、
"*******" 幾つかの言葉を発した。
僕は意味も分からないままに、軽く会釈を投げ、
"TAKE CARE、HAVE A NICE TRIP " と告げた.
バスの運転手に軽く声をかけ、ステップを降りると
別のスタッフが、大きな腹を突き出しながら、笑顔をくれた.
笑顔を換えして、この旅の最終章の始まりだ.

お昼ちょっと前だったと想う. ロスのバスが滑り込んだのは、、
(昔の事で定かではない。)
何日か前に、日本から付いたばっかりの時には、
上手く英語をしゃべれるかどうか、心配だったが、
今はその心配も消え、何とか通じてると自分でも感心しながらの旅だ.
以前は、日本で調べてたホテルに泊まったが、
今回はその時に下調べした、
FAIRFOX通りのホーテルに泊まることにした。
ホテルだと一泊30〜40ドルだったが、
ホーテルだと、15〜25ドルで泊まれそうだった.
(ドル、円の換算レートは当時、300円前後でした)
そこで、帰りの飛行機が飛び立つ日までの予約を入れ、
前金で支払い、朝早くでることになるので、
鍵を管理室のポストに入れて返す事を話した.
50才を過ぎた位に見える女性が応対をしてくれ、
トラベラーズチェックを受け取ると部屋の鍵を渡してくれた.

部屋に入ると小さな机があり、横にソファー兼用のベットがあった.
小さなドアの向こうにトイレとシャワー。
バッグ一つと、ナッシュビルで買ったギターをソファーの上に置くと、
すぐに昨夜のバスの旅の疲れを取る為にシャワーを浴びた.
ついでに洗濯物を洗い、部屋に干した. 
窓からの風は、12月と言うのに肌寒くはなく、
暑がりの僕には兆度気持ちよかった。