ナッシュビル、、、

店を出て、通りを歩くと、
階段の前に立った女性は合いも変わらず客引きをしていたが、
その餌食になる訳にはいかなかった.
通りを出きるだけ離れて前を通り過ぎた。
が、敵もさるもの、階段の入り口からスーット近付いて来て、
”HI、HONEY,”と来た.
”HI,,,”とだけ答えて足早に通り過ぎた。
片側3車線はユウにあろうと想われる大通りだが、
行き交う車もそう多くはなかった。
反対車線を通りぬけた車が、やや大きな音を出してユーターンしたようだった。
すると僕の歩いてる歩道にぴたりと付けてゆっくり前進しながら窓が降りた.
”HI,,DO YOU WANNA DATE WITH ME?”
今度は目も眩むような、ブロンドのちょっと大人びた女性だ.
足がちょっとだけ向きかけたが、、
”SORRY、、I HAVE NO TIME TO LOOSE”と、
またしても無愛想この上ない返事をしてしまった.
このヘナチョコ、とでも言いたそうに、
先ほどの満面の笑顔を、釣り上げた眉に変えて、
口をへの字に曲げながら、その車は走り去った.
ホテルに帰り、明日の出会いを楽しみにして、
テレビでフットボールの試合を見ながら寝むりに就いた.
そして、、、朝目が覚めると、、 GRUHNへ直行、、.
今回のアメリカの旅の一大目標地だ.
ホテルから歩き出すと、その手前にGRETSCHのショウルーム風の楽器店があった.
ドブロが一本飾ってあった他は、そう目に付く物がなかったので、
一回り店を見回ってすぐに出た.
そしてお目当てのGRUHN、
お店に入ると、ギター、バンジョウ、ベース、、、、
数限りない数量の展示スペース.
まずストラトを見た.
今回探したかった、‘50年代のメイプルネックのストラト、生憎ストックになかった。
それでも、’60年代にストラトキャスターは、
サンバースト、ホワイト、サーモンピンク、レッド、殆ど揃ってた。
テレキャスターにしても、’60年代は充分過ぎるほどあったが、
‘50年初期の綺麗なものはなかった。
少々がっかりしたが、今回の出会いは、NATIONALだった.
‘30年代スティールボディー、スタイルOは入手したばかりだったが、
想いもよらぬギターが目に付いた.
‘50〜60年代にかけて短い時期にだけ作られた、
学生向けのソリッドボディーのリゾネイタ―モデルだ.
ネックは短く、ボディーは白いセルロイドで被ってあった.
以前オーク出版のスライドギターの教則本の1ページに、
黒いモデルの写真が出ていたのを覚えていたが、
まさか今回GRUHNで出会うとは想ってもいなかった。
早速、試奏させて貰った.
オオ、なかなか安っぽい、僕好みの善い響きだ.
このギターを今回の記念に買うことにした。
これまた安っぽいケース付きで、$160.00.
なかなかの買物だ。