朝、車で配達の時に、

唄うエノケン大全集~蘇る戦前録音編~
ラジオから、アコーディオンの調べが、、、
でも、テックスメックスじゃなくって、タンゴの、、
だから、バンドネオンですね。  
そこで随分昔の想い出を、、、
大學時代の友人の結婚式に呼ばれて、
広島に行った夜、
友人の独身最後の夜を飲み明かそうと繁華街に出て、
彼の行き付けのバーへ、、
ドアを開け、カウンターに着くと、そこには、
なんとシルバーの装飾も鮮やかな、黒いバンドネオンが、、、
”なんでここにバンドネオンが???” と思うも早いか、
黒いジャケットの初老の紳士が、”なにか弾きましょうか?”
”じゃ、ジェラシーでも” 
素晴らしい演奏に、目は丸くなり、手をくだけんばかりの拍手。
すっかりタンゴの話、昔の日本音楽の話で盛り上がり、
”何か歌いませんか??”て聞かれて、それじゃあ、
”大好きなエノケンの“モンパパ”ってできます?”
“まあ歌ってみてください。“ 
で  “うちのパパとうちのママは、、“
突如歌い出すと、、、その紳士ぴったりと伴奏を付けてくれて、、、
すっかり息統合して、宮崎から、友人の結婚式に来た事など話すと、
“結婚式は、どちらで、何時からですか?“
“ええっつ、弾いてもらえるんですか???“
そして当日、“ほんとに来たらどうしようか???“と気にする友人に、、
“その時はちゃんとするから“っとなだめて、式に臨みました。
そして式も酣の時に、バンドネオンを抱えた昨夜の紳士が扉の影に、、、
で、司会者に新郎の友人として私を呼びあげてもらい、
昨夜の状況を話ながら、
“そんな初対面の方をも、こうして式に参列していただけるほど彼の人を弾きつける魅力のなせる技で、、、”と紹介して、”モンパパ“を伴奏して頂き、
アルゼンチンタンゴの名曲を披露して頂きました。
帰りの飛行機の時間に余裕のなかった私は、式が終わるとすぐに荷物を取って、車に向かい、その紳士とはそれが最後になりましたが、音楽を通しての出会いって、ほんとに言葉に尽くせない魔力があります。今でもバンドネオンの音を聞くと、その紳士が微笑み掛けて来るような、、、